知っていますか?日本のわんちゃん、ねこちゃんの現状を…。年間約3万頭(2019年度、環境省統計資料より)が、苦しみながら殺されています!それも私たちの税金を使って。どうしてこんなひどいことが?
それは、飼い主に裏切られ捨てられる犬や猫がいるからです。家族同然の動物を、引っ越すから、飽きたから、吠えるから等の理由で、殺してしまうという考えは到底理解できませんが、現実に毎日のように起きています。また、迷子になって飼い主のもとに帰れなかったケース、不妊去勢手術をおこたったことで増えすぎて手に負えない等の理由もあります。
また、このように年間約3万頭が殺されている一方で、どんどん犬猫を産み増やすペット繁殖業者にもいろいろな問題があるのです。デザイナーペットと呼ばれる、例えば猫のスコティッシュフォールドのたれ耳や、犬のパグのようにつぶれた顔……これらの可愛らしい外見は人間が意図的に作り出したもので、犬猫にとっては体にも心にも苦痛を伴わせることが多いのです。このような、見た目の珍しさを優先させる人工繁殖による遺伝性疾患は他の犬や猫にもたくさんあるのです。犬も猫も雑種が本来の姿で、純血種とは人間の都合で作り出された不確かなものなのです。
そして劣悪な環境で、年に何度も出産させられたあげく、ケージの外の世界も知らぬまま死んでいく母犬猫たちもいます。動物の環境を最優先させるとお金がかかり、利益が上がらないからです。
本来、犬も猫も赤ちゃんの時は母親が愛情たっぷりに育て、兄弟たちと楽しく遊びながら学び大きくなります。ところがこれまでほとんどの業者は、まだ乳離れしない赤ちゃんを母親から取り上げ、遊び相手の兄弟達とも引き離して販売していました。これは犬猫の健康にも性格にも悪い影響があり、手に負えなくなった飼い主がペットを捨ててしまいやすい、ということにもつながりました。多くの人たちが声をあげ新たな法律ができたので、今は生後56日までの子犬や子猫を母親から引き離すことは禁止になりました。ただ出生日偽装が可能だったり、犬種によっては例外を作るなど抜け穴も多く、まだまだ不十分な法律です。
このような過程を経てペットショップなどで売られる子犬や子猫たちは、また、その途中の流通する過程で死んでしまうことも多いのです。
ペットショップではさみしくひとりぼっちでケージの中に閉じ込められ、常に人目にさらされた状態の子犬や子猫たち。動物が好きな人にはとてもつらい光景です。このような残酷な生体販売はやめて、ペットショップではフードやグッズのみを販売するという動きが世界では増えています。
さらなる法律改正も急がれますが、まず私たちができることは、今後このような業者から犬猫を買わないこと。買えばますます彼らの利益につながり、子を産ませます。そのかわり、殺処分を待つ子や保護活動をしているボランティアから譲り受ける、ということが習慣になれば命を救うことにもつながります。そしてもちろん一度家族に迎え入れたら、最後まで面倒をみることです。どんな境遇で生まれたとしても動物に罪はありません。みんな等しく愛おしい命です。